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遺言には厳格な方式が定められていて、本人が自身の言葉で書くことになっています。
したがって、代理人が遺言するなどの例外は認められていません。

自筆証書遺言はこの方式を守らないと、その遺言は法律上は無効(無意味)になります。
それでは、自分で書くことができない人はどうなるのかという問題が残ります。

自筆証書遺言の特徴は遺言者が亡くなるまでその内容が秘密にされていることです。
したがって、開示されたときに遺言が無効となるおそれがあります。無効になれば、相続
については民法にしたがい共同相続するということになります。

公正証書遺言の場合には遺言者は全文を自署する必要がなく、公証人による代筆もできます。目が不自由な場合には自筆証書遺言の作成はできませんが、公正証書遺言の制度を利用することで可能になります。聴覚、言語機能の障害者も同じです。

公正証書遺言の問題として、証人の立会いが求められるので遺言の内容がもれる危険性は残りますが、遺言が無効になる可能性は公証人の確認を経ているので少なくなります。
なお、公正証書遺言には自筆証書遺言に必要な裁判所の検認手続きは不要です。

公正証書遺言の制度を利用すると証人が必要になります。適当な証人がいない場合など、遺言の相談とあわせ行政書士を証人にすることで内容の漏洩を防ぐことができます。



■遺言の方式は自由に選択できるはずですが、

●公正証書のよるもの
第969条  公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
 一  証人二人以上の立会いがあること。
 二  遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
 三  公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲
  覧させること。
 四  遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押す
  こと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその 事由を付記して
  、署名に代えることができる。
 五  公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作つたものである旨を付記し
  て、これに署名し、印を押すこと。

第969条の2 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公
  証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述 し、又は自書して、前
  条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適
  用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とす
  る。
 ○2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第
  三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号
  の読み聞かせに代えることができる。
 ○3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証
  書に付記しなければならない。
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●自筆証書によるもの
第968条  自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自
  書し、これに印を押さなければならない。
 ○2  自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更し
  た旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その
  効力を生じない。

遺言書の検認手続きについて
第1004条  遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所
  に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない 場合におい
  て、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
 ○2  前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
 ○3  封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いが
  なければ、開封することができない。


■遺言の証人には誰でもなれるはずですが、

第974条  次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
 一  未成年者
 二  推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
 三  公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人


■公証人は法務大臣の任命により、国の公証事務を担当している。

▽第13条  裁判官(簡易裁判所判事ヲ除ク)、検察官(副検事ヲ除ク)又ハ弁護士タルノ
   資格ヲ有スル者ハ試験及実地修習ヲ経スシテ公証人ニ任セラルルコトヲ 得

 第15条  法務大臣ハ左ノ場合ニ於テ公証人ヲ免スルコトヲ得
   三  公証人年齢七十歳ニ達シタルトキ

 ※公証人が死亡したときは官報で告示される。

▽第27条  公証人ハ日本語ヲ用ウル証書ニ非サレハ之ヲ作成スルコトヲ得ス
                               法務省 公証人が作成する証書には
 第28条  公証人証書ヲ作成スルニハ嘱託人ノ氏名ヲ知リ且之ト面識アルコトヲ要ス
  ○2 公証人嘱託人ノ氏名ヲ知ラス又ハ之ト面識ナキトキハ官公署ノ作成シタル印鑑証
   明書ノ提出其ノ他之ニ準スヘキ確実ナル方法ニ依リ其ノ人違ナキコトヲ証明セシムル
   コトヲ要ス

 ※証明書の有効期間 法務省 05.03.11
 公正証書の作成等において嘱託人の本人確認等のために使用する印鑑証明書等の有効期間について(お知らせ)

 第29条  嘱託人日本語ヲ解セサル場合又ハ聾者若ハ唖者其ノ他言語ヲ発スルコト能
  ハサル者ニシテ文字ヲ解セサル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルニ ハ通事ヲ立会ハ
  シムルコトヲ要ス

 第37条  公証人証書ヲ作成スルニハ普通平易ノ語ヲ用井字画ヲ明瞭ナラシムヘシ
  ○2 接続スヘキ字行ニ空白アルトキハ墨線ヲ以テ之ヲ接続セシムヘシ
  ○3 数量、年月日及番号ヲ記載スルニハ壱弐参拾ノ字ヲ用ウヘシ

▽第58条  公証人私署証書ニ認証ヲ与フルニハ当事者其ノ面前ニ於テ証書ニ署名若ハ
   捺印シタルトキ又ハ証書ノ署名若ハ捺印ヲ自認シタルトキ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為ス
   コトヲ要ス

  第58条ノ2  公証人私署証書ニ認証ヲ与フル場合ニ於テ当事者其ノ面前ニ於テ証書
   ノ記載ノ真実ナルコトヲ宣誓シタル上証書ニ署名若ハ捺印シ又ハ証書 ノ署名若ハ捺
   印ヲ自認シタルトキハ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス

▽公証人法施行規則
 第8条公証人の作るべき証書その他の書面(第二項の書面を除く。)の用紙は、公証人
  役場と印刷した日本工業規格A列四番の丈夫なけい紙とする。ただ し、A列四番の用
  紙に代えて、B列四番の用紙とすることを妨げない。
  2 公証人法第五十七条ノ三第二項 の登記の嘱託書の用紙は、日本工業規格A列四
  番の丈夫な紙を用いなければならない。

▽第9条 公証人の執務時間は、法務省職員の勤務時間による。
  2 前項の規定にかかわらず、急を要する場合には、公証人は、休日又は執務時間外
  でも嘱託に応じなければならない。


■公証人の費用は法律で決められている。 

公証人手数料令 別表 (第九条、第十七条、第十九条関係)
番号 法律行為の目的の価額   金額
百万円以下のもの 五千円
百万円を超え二百万円以下のもの 七千円
二百万円を超え五百万円以下のもの 一万千円
五百万円を超千万円以下のもの 一万七千円
千万円を超え三千万以下もの 二万三千円
三千万円を超え五千万円以下のもの 二万九千円
五千万円を超え一億円以下のもの 四万三千円
一億円を超え三億円以下のもの 四万三千円に超過額五千万円までごとに一万三千円を加算した額
三億円を超え十億円以下のもの 九万五千円に超過額五千万円までごとに一万千円を加算した額
十億円を超えるもの 二十四万九千円に超過額五千万円までごとに八千円を加算した額

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